監督はこう言っていた。
「復習三部作ですっかり疲れたので、気分をがらっと換えた作品を作りたかった。完全にファンタジーな作品を。」
うそつき。コジンマル!
一緒に行ってくれたNちゃん、Dちゃん、ありがとう。パク・チャヌク監督作品の洗礼を受けていないチングを連れて行くのはちと心配でしたが…。それはそれ(笑)
ネタバレあるので畳みます
「オールドボーイ」「復讐者に憐れみを」「親切なクムジャさん」の復習三部作で世界に名を知られたパク・チャヌク監督の作品に出たいと門戸を叩いたのはジフニの方だった。ドラマである程度の演技を認められていた若いジフニのために、徹底的に方向を違えた作品を作ろうと構想したのが「サイボーグ…」
相手役にイム・スジョンちゃんを推薦したのはジフニ!というのも驚き。相手役というか、どちらかというと割合的にイム・スジョンちゃんの方が重要???(笑)
精神病院を舞台にした映画であるばかりか、その始点が患者さんのものだというのだから驚き。それだけにあり得ないことの連続で、そのまま受け止めても曲解しても誤解されそうな表現もあるため、これがパク監督の作品でなかったら日本での公開もきっと難しかったかもなあ、です。
むしろ患者さんをバカにしてんの??と思う観客もいると思います。だから大キャンペーンを張って全国的に展開するような映画じゃなかったんだ、おそらく。
前置きはこのくらいにして、内容ですが、パク監督的な残虐性の強い場面のいくつかには多少辟易したことを除けば、非常に面白い作品だったと思います。患者さんの頭の中の思考で追いかけているので、一つ一つのシーンに整合性がないというか、ばらばらな夢をつなぎ合わせたような、統一性もなければ会話もうまく成り立ってない、本当に不思議な映画です。
ジフニ演じるイルスンがひたすらまじめに人の行動の一部を盗む様子や、盗まれた人の様子、スジョンちゃん演じるヨングンが入れ歯をはめておばあちゃんと繋がろうとしている様子など、細部にわたって表現が行き渡っていて、かつコミカルに描かれていたのが印象的でした。
ええ、確かにイルスンはkissがうまいね(笑)
というか、本当に韓国のドラマもそうだけど、kissシーンというものをとても大事にしてますね〜。映画によってはかなりハードなベッドシーンはあるけど、ドラマではあっても雰囲気見せるだけ。圧倒的に「清純派」「プラトニック」な要素が強い。そこに登場してくるのはkissシーン。とてもうまーくkissシーンを使ってきますね。
でも、イルスンのkissシーンは…。(どのシーンも唐突なんだけど)やっぱり唐突な気がしたよ。
果たして恋愛なのか、お互いの気持ちはどう絡んでいるのかよくわからない二人の結末だけども…。余分なことを考えないでそのままの流れで受け止めた方がいい映画なんだろうなあ。だって彼らの世界の中の話だから何でもありなんだもの〜〜〜。こちらの世界の思考では考えられないのですよね。
さて、この映画でパク・チャヌク監督に起用されたジフニだから、次なるハリウッドの映画出演もあったわけで、ドイツでのその撮影が先月終わり、今年の11月からは一年間アメリカへ留学(?)して英語の勉強をしつつ、次回作のハリウッド映画主演に向けて努力をするそうです。
アメリカの人となってしまいますね〜〜。