昨日は見終わった直後で、後味のすごさには気がついていませんでした。ただひたすら画面からそのまま受け止めた気持ちを書いていました。
いや、本当の意味で味わいが出てきたのは半日後でした。
私の中にカンボックはちゃんといたんだなあって、いなくなって実感しました。ものすごく寂しい。手の届かないところへ行っちゃったんだなあって、悲しい。
どうしようもなくバカなカンボック。
ミングヒョンがなにより優先で、ウンソクを支えてやれなかったカンボック。
自分が仕掛けたことなのに、責任も果たせなかったカンボック。
一緒に死んでやることしかできなかったカンボック。
パボヤー、パボヤー、ケボック。
でも人間の性格は変われないし、出会いの不幸な状況も変われないから、絶対にハッピーエンドにはなれなかっただろうけど。
イ・ギョンヒ作家の中でカンボックはちゃんと1人のキャラクターとして強烈な個性で生きていましたね。ミングヒョンも、ダジョンオンニも、ジュンソンッシも、ミスガも、それぞれ状況の応じて変化するような性格ではなく、すでに確立された性格をもつ人間として出てきました。一番変化したのはジュンソンッシですかね??もともと子供っぽい人だったしね(笑)
それだけに、性格上どうしても受け入れられない事柄の前では無力でした。状況を打破することができませんでしたね。前向きなのか逃げているのか、結局はケ・ボックは逃げていたのですね。そしてウンソクの本当の気持ちを受け止め損ねた。哀れなカンボック。
最初私は脚本がよくないのかと思ってしまいました。短絡的に考えると「純愛=死」という公式に当てはまってしまって、食傷気味な気持ちを覚えました。
でもね、そんな単純なことじゃないですね。
ダジョンオンニの語りで構成された最終話は、一見するとおとぎ話のようなのに、とてもリアルな感情が行き交う話でもありました。あれ以上にもあれ以下にもなりえないリアルなやり取りなのかもしれません。
プロローグとエピローグが繋がって、やっと手をつなげた二人は一緒に旅立ってしまったのですね。二人が今の姿で幸せに暮らせるところはそこしかなかったのでしょうか??
たぶん、あのまま話が進行したら、精神科に通っていたウンソクはさらなる狂気へと陥ってしまっていたでしょう。日本では恋愛の苦しさで狂気に陥るという話はあんまり一般的じゃないかもしれませんけど*1 ラテン系アジア人の韓国人としては、フランス映画で見る*2狂気の女なども遠からぬ話かと‥。感情が激しいしね。
とか勝手に推測してみたりして‥。
いろいろ言ってますけど、とにかく寂しいよーーーーーーーー!
カンボック、ケ・ボック、ボックヤー。いなくなってしまったんだね。あー。