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アラカンからの挑戦

人気犬種を憂う

ティーカップ系の犬が登場して久しい。
限りなく小さく改良(改悪!)した結果生み出された犬たちです。ちょっとゴールデンハムスターか!?と思わなくもないその小ささに人気が集中したらしいですね。



じゃ、どうやって誕生するかといえば、もちろん一胎で生まれてきた中でもっとも小さいものをさらに小さいものに交配していくわけです。犬種にはそれぞれ犬種基準(スタンダード)があって、それを維持しているからそれぞれの犬種があるわけですけど、そんなもん無視して、最も小さく(奇形かもしれない)もの同士を合わせてさらなる異常な小ささを固定していくわけです。


人間の欲望とはとどまるところを知りませんなあ。
生き物ですよ、彼らは。まるでおもちゃのように小さく小さく、人が持ってないものを目指して小さく…。


最近動物病院にティーカップ系の受診が増えたそうな。本来あるべき位置に臓器が収まってないとか、脳の異常が多すぎるとか…。かかりつけの先生はのたまっておりました。


そりゃそうでしょう。


そうでなくても、異常に人気が出る犬種(過去にはハスキー、ゴールデン、Mダックス、現在はチワワ、トイプードルなど)には無理やり作られた後遺症が残ってるわけです。それは遺伝性疾患の宝庫であったり、短命であったり、性格破壊(攻撃性が強い、極端なシャイなど)…しかりです。


はあ〜〜〜〜〜。


もちろん競走馬の世界に比べたら動く金額なんて微々たるものかと思いますが、売れ筋となった犬種の値段、どうです!?すごいでしょお??もともと値段なんてない世界だからやたらめったらに高くすれば良い犬かと思われるし、それをご丁寧にテレビなどで自慢する人もいるわけで、仕方ないとも言えますけどねえ。



私の手がけている犬種では、ようやく繁殖の前に遺伝性疾患のしかるべき検査を受け、評価を受けて、スタンダードを考えている人が増えつつある一方で、ある特定の色にのみこだわり、上記のティーカップのようにその色同士でのみ交配を続ける人がたくさんいて、結果、犬種として弱く小さくなってしまっているのも事実。それも一時期その色が珍しいために人気が出て、本来ならありえない割合で誕生してしまったがため。


人気が出るということと、犬種が壊れるということはこの国ではイコールなのですね。