心身ともに《豊》な《未來》を!

アラカンからの挑戦

血の婚礼 一回目の観劇

ロルカの詩だし、難しいだろうなーとはもちろん思ってました。暗いんだろうなーとも。


初めて観た舞台の感想を自分の身の丈に合わせた勝手な解釈で考えると…。


うちの犬たちの生態を日々見ているとね、オスってかわいそうだなあって思うことしばしばw なぜなら、シーズン中のメス(注:犬のシーズンは個体差はありますが、年に平均2回やってきます)が匂いをまき散らしていると、もう何も手に付かない(笑) 餌さえも口にできなくなるのもいるのよ。


さらに、オス同士ピリピリして、普段からちょっと生意気だ!なんてもしも思ってたら一発触発の事態に!!(まじで、まじで、まじで) 非常に血気盛んなんです、本能で。


〜なんてことが舞台を見ている時に頭をよぎった…。特に言葉を発しないレオナルドのしぐさ、フラメンコの場面がそう。犬と比較してごめんなさい。でもさ、今回のレオナルドは若い馬のイメージを伴って描かれているからね、自然と頭に浮かんでしまいました。


それから血族、血統の話。


日々、犬の血統書を眺め、その祖先を何代も遡って組み合わせなどを考えている身としては、血筋がどうのとか、受け継がれるとか…そういうの得意(?)な分野だなーって…これまた犬とリンクしてすみません。


その昔、祖母と話していると、普通に出てくる言葉たち。「どこの村のだれだれは、どういう出身で、そのお兄さんのお嫁さんはどこの村の出身で、そのお嫁さんの家柄はどことどう繋がっていて…」みたいな、血縁話。あたりまえのように、つらつらと出てくる出てくる(笑)何度聞いても覚えられなかったw


子供心に、すごい記憶力だなーと感心したもんです。要するにあれは記憶というよりも体に浸み込んでいたようなものなんだろうな、と今なら思えます。


アンダルシアでなくても、少し前の日本*1にはきっと、こうした血にまつわる話は溢れていると思う。因習とか慣習とか、見えないものに縛られた世界。


そんなことが頭をよぎりながら観た舞台でした。


肝心の未來さんですけど、若いなあ、いいなあという感じ(意味不明)。


無言でのしぐさやダンスシーンは、血がたぎる本能の男、というイメージでしたが、いったんセリフを口にすると傷つきやすい繊細な面が出たりして、ちょっと幼くなったかな。肝心(?)の絡みシーンですけど、皆さんのレぽに上がっている様子ではもっと際どいのかと思っていたので、やっぱりそこでも若いな〜と(笑)きっと毎回違うんですよね、その時のテンションにより。若いっていいな。(しつこい)


むしろ月(ナイフ)と黒い男のシーンにはどうしようと…(^^ゞだって目の前なんだもん。月役の尾上紫さんの内から出てくる情欲(?)はすごい!そこは若いソニンちゃんとはやっぱり違いますね(^_^;)ドキドキしちゃった。


それにしても、男って…(笑)


ナイフ持って、勝手に血なまぐさくなって、死んじゃって…。それで???*2母なる大地に血を流し、残るのは女ばかり。人間の営みというより、動物に近いよ、やっぱ。



花嫁の最後の方でのセリフ。自分には非がないと、本当は花婿と結婚したかったのに、レオナルドの流れに飲み込まれてしまった。でも自分は純潔を守ったと、のセリフ。


ずいぶん勝手なセリフだけど、ありかな、と。これはある意味、魔性なのかな、と。殺して欲しいと言いながら、実は生きるための言い訳をしている、もしくは、死ぬとしても身の潔白だけは明かしておきたい。自分は悪くないと。


ああ、女って…。強いの?ずるいの?


ソニンちゃんが少しずつ、少しずつ、冷静さを欠いていく過程がとてもリアルでしたね。どんなに拒んでも拒んでも拒みきれない衝動に突き上げられてしまう様子がよく伝わってきました。


大学生の娘を持つ母親としては、若い二人への感情移入よりも、まわりの大人達の気持が痛いようによくわかる…というのも、ちょっと寂しい(笑)たぶん、娘は違う尺度で捉えるんでしょうね。


2回目を見るのが楽しみになってきました!

*1:いやいや現在でも田舎ならば

*2:韓国のドラマに出てくる頭に血がのぼりやすい男たちも似てる